「闇が光に変わる。太陽になる。朝になれば日が昇る。
ここで一気に形勢逆転」
卵から孵った雛鳥の巣は軒下にあり、
強い陽射しや風雨にさらされることもなく、
親鳥の庇護を受けることができ、
なんの問題もないはずだった。
なのに、巣の中はぎゅうぎゅう詰めで
餌をもらうのも順番待ち。
そのうえじゅうぶんに腹を満たすこともできず、
他の雛鳥に向けられた親鳥の関心を
自分に向けてもらいたくても、
なぜか叶わない。
自分だけ黒い雛だから?
皆とさえずり方が違うから?
そのうち黒い雛鳥は、他の雛鳥たちから
小さな口ばしで突かれ、
餌をもらう順番を飛ばされ、
しまいには親鳥にあることないことを吹き込むようになり、
しまいには、巣から追い出された。
黒い雛鳥は、鳶や烏、猫といった外敵から身を守るため、
小さな体で目を釣り上げたり翼を広げたり、
威嚇するような鳴き方を身につけていくしかなかった。
そうやって成長した黒い雛鳥は、
強くたくましく立派に羽ばたくはずだった。
しかし、彼は大事なことを教わっていなかった。
……そう、誰からも飛び方を教わっていなかったのだ。
彼は、他の鳥たちが大空を悠々と飛んでいるのを地面から
眺めては、
「なぜ自分だけが飛べないんだ?」
「どうやったらああやって自在に体を操れるのか?」
と、彼なりに研究しながら羽をばたつかせた。
にもかかわらず、彼の足先は地面を離れることがなかった。
彼は自分の体がひどく重いのを感じた。
それと同じくらい、心も鉛のようにずっしりして、
乾きすら覚えるようになっていた。
そしてなす術もなく途方に暮れるばかりだった……。
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