家の中で適当に賑やかで
適当に静かな場所が、次男の指定席になっている。
朝起きると一目散にここにやってきては
飽きることなくiPad miniをやっている。
そして、たまにお腹が空くとリビングやキッチンに
顔を出し、食べ終わると再び指定席へと帰っていく。
以前は同じ動画を何度も再生して観ていたのが、
この頃では、ひたすらアルファベットを入力しては
検索することにハマっている。
それが今の次男の幸せなのだと
側で見ていて思う。
そんな次男の今後の就労に当たって、
私は今からあちこちの作業所を見学中。
子供の個性も進路・進学も、
いわゆる一般的なそれとはまるで違う。
なのでいつも念頭に置いているのは、
「これが次男にとって幸せか」という物差し。
その感覚や基準は、
あくまでも私の眼鏡から見たもの、感じたものだから
次男と折り合わないこともあるかもしれない。
そのことをどこかで忘れないようにしておきたい。
そして私の眼鏡の曇りを少しでも拭って、
次男と同じものが見えるようでありたい。
こちらの農園で働いていた利用者さんたちは
皆、日焼けしていて汗びっしょり。
この暑さの中、根気強く雑草取りをしていて、
自分の持てるすべてを差し出している充実感が伝わってきた。
人の数だけある幸せの形。
その時々で移ろっていく幸せの形。
……私はそこを見逃したくない。