華麗に炸裂してレディとして生きていく方法

あなたが華麗に炸裂すると世界が変わる

それを抱きしめてあげる

西日の射す狭いキッチンで泣き叫ぶ子供。

目を離すと勝手に外に出ていってしまい、

躾のなっていない親だと咎められる。

 

床いっぱいに飛び散った割れた食器の欠片。

 

うず高く積み上がった取り込んだままの洗濯物。

 

夫の帰宅に間に合わせてなんとか作った夕飯も、

外で済ませて来たと言われ、手付かずのまま。

 

やることはたくさんあるのに

なかなか次のことに取りかかれない。

 

自分の頭の中も家の中も取っ散らかるばかり。

 

これが休日もなく、延々と繰り返される……。

 

自分が女性かどうかもわからなくなり、

もっと言えば人間かどうかもわからなくなり、

ある種の極限状態に陥る。

 

人間、あまりにも辛いと、思考停止してしまう。

そして辛い記憶をなかったことにしてしまう。

大きくて重たい蓋を被せてしまう。

 

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でも、なかったことにはできなくて、

のちのち、その蓋が内圧の勢いでガタガタと

暴れ始める。

 

 はじめのうちは無視してても、

やがてそれは自分自身に襲いかかってくる。

 

なかったことをあったことにした時、

その蓋の中にあるものを解放して

抱きしめてあげられるのは

自分しかいないことに気づく。

 

 

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