自分の人生は、自分で切り拓いてきたつもりだった。
進学も就職も結婚も……
やがて長男が生まれ、次男が生まれた。
男の子2人の育児はそれはそれは大変だった。
しかし、次男の手の掛かりようと言ったら
長男の比ではなかった。
乳児だった頃は、やや元気目な男の子、
と言うくらいだったのが、
2歳になる頃には昼寝をしなくなり、
本やCDが次々と壊され、
食器もたくさん破られた。
乳幼児ならよくあることだけど、
おとなしかった長男と比べても、
どう考えても異常な破壊度だった。
そのうえ、すぐに泣きわめく。
親としても原因が特定できない。
さらに、どんなに対策を講じても、
勝手に外に出て行ってしまう。
それが度重なり、近所から何度も苦情が来て、
「躾が悪い。親は何をしているんだ」と言われ、
頭を下げていた。
昼下がりに私だけ寝落ちしているその隙に
外に出て行った時にはさすがに気づかず、
目が覚め慌てて次男を探しに外に出ると、
パトカーに乗せられて、町内を巡回していた。
歯磨きの仕上げ磨きもものすごく嫌がられ、
近所の歯医者に連れて行っても治療にならないくらい
泣き暴れていた。
そこでまた親としての至らなさを責められた。
そんな生活では、私の体調もガタ落ちで、
日常生活を送るのがやっとだった。
(続く)